2009年8月15日

『君たちはどう生きるか』


巻末の「作品について」にもあるように、この本が書かれたのは盧溝橋事件が起こって8年間にもわたる日中戦争が始まった年。

当時の子供には『どう生きるか』なんて決められへんかったんちゃうかな。
って思うとほんとに泣けてきた。

終戦の日に読み終えるにふさわしい本だったと思う。
おじいちゃんに会いたいな。

なぜ勉強が必要なのか。
人間らしさとはなにか。
人間らしい関係とはなにか。
自分が本当に感じたことから意味を考えていくこと。
生産者と消費者。
立派な発明とは。

ひびいたことば
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しかし、浦川君のような立場にいながら、少しもひるまずに山口君たちをおさえてゆけるなら、その人は英雄といっていい。浦川君がそういう英雄でないからといって、浦川君を非難するのは、間違っているね。浦川君のような人は、周りが寛大な眼で見てあげなくてはいけないんだ。
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ところで、君自身はどうだろう。君自身は何を作り出しているだろう。世の中から色々な物を受け取ってはいるが、逆に世の中に何を与えているかしら。改めて考えるまでもなく、君は使う一方でまだ何にも作り出してはいない。(…)して見れば、君の生活というものは、消費専門家の生活といっていいね。
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世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに、自分にも他人にも予見な不幸を招いてる人が決して少なくない。人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しいことが多いのだ。
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僕たちは自分で自分を決定する力を持っている。だから誤りを犯すこともある。しかし、僕たちは自分で自分を決定する力を持っている。だから、誤りから立ち直ることもできるのだ。
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